金木犀のせい

夏の終わりなど告げられずに
気付けば肌寒くなって
ひとり家路へと急ぐ
ありふれた この日々


夏の匂いすら消え去って
季節はやがて 色づくのか
そんな時にふと出会った
香りにただ驚いた

君を抱きしめて そっと抱きしめて
寄り添ったあの日の想いが
今は寂しくて そっと寂しさで
心が痛むよ

あれは金木犀の香りだと
知らなかった 今日までは
あなたの香りだと思っていた 今までは
何もかもが 嗚呼 あなただけで回っていた
「サヨナラ」も 言えずに…

夏の思い出も連れ去って
季節は酷く移ろうのか
見果てぬ夢の甘さと
香りにただ彷徨っていた

君を連れ出して そっと連れ出して
寄り添った 夜風の名残りが
今は切なくて ずっと切なさで
言葉に詰まるよ

あれが金木犀の香りだと 知らずにいられたら
あなたとの記憶など 呼び覚ますことなく済んだ
何もかもが嗚呼 幼過ぎて笑っていた
サヨナラの意味も知らずに

あれは金木犀の香りだと
知らなかった 今日までは
あなたの香りだと思っていた 今までは
あれが金木犀の香りだと 知らずにいられたら
あなたとの記憶など 呼び覚ますことなく済んだ
何もかもが 嗚呼 あなただけで回っていた
「サヨナラ」も 言えずに…

DAISUKE YAMADA

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